B型の日記

B型(血液型)が書いている日記。

ソフトウェア業界のXP特需

 今日はしょうもない愚痴を書く。
 自分のブログだし、愚痴ったっていいのだ。少しでもストレスの捌け口になればいい。どうせ誰も見てやしない。
 もしかしたらソフトウェア業界の人に迷惑がかかるかも知れない。が、多分既にコトは終わってる時期なのでいいだろう。

  “XP特需”をご存知だろうか。WindowsXPがサポート切れで、Windows7(もしくは8)への切り替えが一斉に発生し、その関連でモノが売れている状況を示す。特に内部留保を溜めこんで資金力のある大企業は、大量のPC更新をおこなっているところも少なくない。

 一般にはPC本体、ノートPCのハードウェアの特需を指すが、ソフトウェア業界もXP特需がある。

 いわゆる「Windows7対応作業」とかいうやつで、ソフトがWindows7で動かなくなるので動くようにしましょうと客に持ちかけ、仕事をもらうのである。実際に多いケースはまず客の方から「コレ、Win7で動く?」と聞かれ、「いや、そのままでは動きません」と答え、「じゃWin7対応見積もって」となり、鉛筆舐めて「ハイ、こんだけかかります」と答え「うえ!?こんなにかかるの?マジで?」となり、「じゃあ、ちょっと頑張ってこんだけ」と多少値引きして、「んーじゃしょうが無い。お願いします」となって「わかりました (ラッキ~♪)」となる。稟議書上程とか細かい中間を端折ったが、まあそんな流れ。

 言うまでもなく、「Windows7対応作業」などという仕事は、ソフトウェアの仕事の中でも屈指のオイシイ仕事だ。
 だいたい、XPで動いているほとんどのソフトはWin7でも動く。ただ、Win7が中途半端にセキュリティを高め、C:\Program Filesとかを一般ユーザに書き込み権限を与えなくなったため、そこにファイルを作るようなヘボいソフトはエラーを吐いて落ちたりする。こういうのを修正するのは簡単で、それほどオイシイ仕事にはならない。

 本当にオイシイのは、もっとデカい規模のソフトだ。企業がソフト会社か自分とこの子会社かに依頼して開発している自社ソフトというのは、ただ単に「動く」では済まされない。将来のメンテナンス性が重要で、今回のXP特需ではソフトの.NETへの移行が大量におこなわれている。
 従来VisualBasic6(以下VB6)やそれ以下のバージョンで開発されているソフトは、Windows7以降でVB6といった開発ツール自体がサポートされないので、ソフトのメンテナンス(修正とか改良)が出来なくなる。つまりソフトは動くが、メンテ出来ない状況となる。
 客のシステム担当者もそれなりの知識は持っているので、.NETへの移行の必要性を理解し会社へ説明することが出来る。よって予算の確保も比較的やりやすい。そういった状況を利用し、ソフト会社はここぞとばかりに“ぼったくる”のである。これが、ソフトウェア業界のXP特需だ。

 モノの価格は需給バランスによって決まるため、その価格がぼったくり価格であっても、需給が成立するのであれば問題無い。どこぞの車がどう見てもぼったくりなのに、喜んで買う人間が相応に居るのと同じだ。ニセモノをホンモノと偽って売っているのとは訳が違う。
だから、ぼったくりが悪いと言っているのではない。むしろ、ぼったくれるだけぼったくればいい。俺が主張したいのは、「その仕事を俺にもよこせ」ということだ。

 このXP特需に乗っかり、自分のコネで同様な仕事を取って来たのだが、ファッ○ン上司のおかげで俺がそれを担当することは出来なかった。自分で取って来た仕事なんだから俺にやらせろよと思うのだが、組織に所属している限り従うしかないし、組織に所属しているからこそ取れたとも言える。実際こういう仕事は誰でも出来るので、割り振りがしやすい。もし俺がファッ○ン上司と同じ立場なら同じ指示をするだろう。

Windows7対応作業」で恐らく最も多いケースがVB6から.NETへの移植だろう。そして、誰がなんと言おうと、この仕事は間違いなく“チョロい”。
 「今時、楽な仕事なんて無いよ」と誰もが思っているだろうが、「ハイ!ここにあります!」と高らかに手を上げ、声を大にして伝えたい。
 客のシステム担当者もなんとなくわかっているのだが、そこまでは詳しくないので、いろいろと理由を説明されると、そんなものかと納得してしまう。

 VB6でヘンなコントロールを使用していたり、妙なワザを使って複雑なことをやってたりすると、多少難儀なこともあるだろうが、そんなのは稀だ。基本的には、開発ツールがVB6を.NETに変換してくれる。多少変な変換をしたり、出力コードが汚いなどの問題が出るが、機械的に直していけば良い。
 「いや~、DBへのアクセス方法が変わるから…」なんてアホなこと言う奴も居るが、そんなの俺にやらせてもらえれば1日で終わらせてやる。
 何に一番時間がかかるかは、検証作業だろう。移植前と移植後の動作結果が同じであるかどうかを確かめる作業だ。恐らく全体の8割くらいがこの作業になる。しかし、これも楽だ。動作チェックリストなんて、VB6時代にやったものがあるだろう。それを流用すればアッと言う間に出来る。後は同じ動作になるかチェックするだけ。ほとんどは同じ動作になるから猿でも出来る。万一違う動作になった時だけ、ちょこっと調べるだけ。原因はすぐにわかるだろう。

 開発ツールも年々使いやすくなっている。情報もネットに溢れている。
 いまだにCでゴリゴリ機械制御とかのコードを書いている俺からすれば、いまどきの.netプログラミングなんてのは、登別の温泉に浸かりながらポエムでも書いているくらい楽な仕事である。
 そんな仕事をモノによっては1年もかけてやる場合もある。毎日毎日遊んで暮らしているようなもんである。1年もやればストレスが少ないぶん、健康面でもだいぶ違ってくるだろうなあ。

 そうやって遊んでる連中が俺と同じ給料で、しかも評価はヤツらの方が高い。当然だよな、こっちはキツキツの予算できっつい仕事をやって、なんとか少しの利益だが、ヤツらは余裕の予算で遊んでても利益が出る。上の連中は仕事の内容なんか見ちゃいないし、数字が羅列したExcelでどこが儲かってるかしか見ていない。こっちが赤字なんて出そうもんなら、差は歴然だ。

 妬み、やっかみなんて時間が誠に無駄だと思う。ただ、この時期になるとどうしても考えてしまう。それに、自分の仕事を手伝ってもらっているグループの人にも申し訳無く思う。
 しかし、最近の若い子は「しょうが無いですよ。人にはそれぞれ役目があると思いましょ。ハハハ。」なんて笑って、全然平気なようだ。こういうのを「さとり世代」と言うのだろうか。なんか不思議だなと思いつつ、その言葉に少し救われてるような気がした。

 以上。